シーズン1 Ep07 行動を起こすときが来た / Time to Make…My Move
あらすじ
太陽の輪に登ったリアンたちは、そこで惑星トラとクリスタルに関する過去の出来事を知る。
タイトルについて
1982年制作の映画「ダーククリスタル」で、次期皇帝を狙う侍従長が言った台詞より。字幕では “皇帝は私に決まっている” となっているが、直訳ではEp07のタイトル通り。
キャラクター
ゲルフリン族 / Gelfling
※ストーン・イン・ザ・ウッドに、ハラールのパラディンとクリスタル城から逃げ出してきた衛兵が合流している。
ポドリン族 / Podling(Pod People)
※新規キャラの登場は無し
スケクシス族 / Skeksis
- スケク・グラ(異端者) / SkekGra the Heretic…太陽の輪の頂上に住んでいる。友好的でハイテンションなスケクシス。背筋がまっすぐ伸びており、早口で喋り続け、他のスケクシスとはかなり雰囲気が異なる。自らも「楽しいスケクシス」と言っている。しかし若い頃は征服者(the Conqueror)と呼ばれた残虐なスケクシスだったという。惑星トラから幻視を受けスケクシスとミスティックの再融合を推し進めるが異端者とされ、クリスタル城から出た。379年前、真実を求めるゲルフリンにメッセージを伝え太陽の輪へ導くためにロアを作った。顔は赤・白・青の三色に塗られ、頭には鐘のような音が鳴る装飾をつけており、大きな杖を持っている。
ミスティック族 / Mystics(UrRu)
- ウル・ゴー(さまよい人) / UrGoh the Wanderer…太陽の輪の頂上に住んでいる。非常にのんびりしたミスティックで、異端者と対をなす存在。せっかちな性格の異端者をイライラさせているが、両者ともマイペースなのは共通しており、379年間楽しみにしていた「サプライズ」に非常にこだわっていた。スケク・グラと同時期に幻視を見たことで、元々は同一の存在であるスケクシスとミスティックを再融合させようとするがうまくいかず、異端者と共にゲルフリンへ希望を託す。肌は暗い色で、大きな杖を持っており、水たばこを愛用している。なお、背中に火がついた時や怪我をした時は素早い動きを見せていた。
その他の生物
- ウルスケク族 / UrSkeks…スケクシス族とミスティック族がかつて1つだった時の名前。2000年前、別の世界から18人が惑星トラに追放されてきた。オーグラに惑星の外にある星の世界を教え、真実のクリスタルと引き換えに太陽系儀を贈る。1000年に一度ある太陽の大合致の際、クリスタルによる浄化の実験により、彼らは分裂してしまう。その際にクリスタルの一部が割れ、かけらができた。
- 統治者 / the Ascendancy…アラシム / Arathimを統治する、一体化した彼らの同一意識。アラシムとは、Ep01から登場している多足生物スピッター / Spitter(シルク・スピッターとも)を含む生物の総称。数百年前、スケクシスに反抗し、グロットの洞窟からクリスタル城の地下へ追放された。30年前にはストーン・イン・ザ・ウッドで戦争を起こした(リアンの父、オードンが英雄となったアラシム戦争)。
- Threader(カナ名称不明)…スピッターの下位にあたる、手のひら大の多足生物。他の生物に寄生することで精神を統治者と同一にすることができる。タヴラに寄生した後ストーンウッドのゲルフリンを操り、城へ誘導した。花弁のような足がある。
用語など
- 空気の病気 / Air sickness…クリスタルスキマーのベヌに乗った後、ハップは気分が悪くなってしまい、これについてレキーアが「空気の病気」と言っている(日本語字幕)。特殊な病気のように見えるが、原語のままなら飛行機酔いと同じ言葉であり、何かに乗ることや飛ぶことのないハップが単純に酔ってしまったとも考えられる。
- アラシムの巣 / the Arathim nest…クリスタル城の地下に追いやられているアラシムたちの住処。
- ウルドループ / Urdrupe…幻覚作用のある果実で、太陽の輪の中で栽培されていた。ドゥーサンでは未来を垣間見るために使われるものらしい。
- デュアル・グレイヴ / the Dual Glaive…惑星トラにもっとも近い存在であるゲルフリンのため、異端者とさまよい人が作った。太陽の炎で鋳造したと言っているが、これは空にある3つの太陽ではなく地中深くにあるthe inner sun=the Mother Sunのことである。惑星トラの精神と彼らの知識が込められているという。
- オーレイヤル / the Aureyal…ブレアが図書館で見た幻視の紋章。7つのクランを団結させ、スケクシスの支配を終わらせるシンボル。
- ひょうたん / the Gourd…さまよい人がリアンたちに渡した、液体の入ったひょうたん。中身は「ゲルフリンにとって良いもの」らしい。
ポイント
太陽の輪の正体
砂漠の中にそびえ立つ、不思議な形をした塔のような岩山。下から見ると頂上は岩が折り重なっているように見えているが、実際はその中が空洞になっており、また入り口には布が垂れ下がっている。内部は数々の道具、植物、装飾品にあふれている。異端者とさまよい人の住処。
「サプライズ」劇中劇
人形劇の中で人形劇を行うという面白いシーン。異端者とさまよい人が長年をかけて作った歌(?)、小道具を駆使し、指人形や影絵で表現される。操り人形=パペットではあるが、本作のメインとなるマペット方式のものは出てこない。指人形については関連コンテンツ参照。
スケクシスとミスティックの関係
映画でも明かされている通り、彼らは元は1つの存在、ウルスケク族 / urSkeksだった。魂は共通しており、どちらかが傷つけば相手も傷つく。弓使いが狩人を「暗黒の半身」と呼んでいたのはこのため。異端者の手にナイフが刺さった際、さまよい人も同じように痛がっている。また、弓使いが狩人を射ることは、弓使い自身が射られることと同じである。
ミスティックは4本の腕を使いこなすが、スケクシスにも4本の腕が存在し、うち2本はほぼ退化している。狩人はこちらの腕も活用しているようで、Ep04やEp07で残り2本の腕が確認できる。
彼らはトラの外から来た存在であるが、異端者とさまよい人は何かしらの理由でトラからの幻視を受け、「共存するスケクシスとミスティック」という真に異端の存在として長い年月を過ごしていた。
狩人の再追跡
レキーアの前に姿を表す狩人。会話から彼らが初対面でないことがわかる。ドゥーサンらしく死を受け入れる覚悟を見せるが、狩人に打ち倒されてしまう。その際、狩人は剣を持っていない方の手で殴っているように見えるため、彼は死んでいないと思われる。
アラシム同盟と闇の力
皇帝はアラシムと同盟を組んで利用したあと、闇の力に汚染されつつあるグロットの洞窟へ送り、彼らを滅ぼそうとしていた。また、ゲルフリンのエキスを採取するようになってから闇の力が広がっていること、皇帝は杖にクリスタルの小さなかけらを取り付けており、闇の力を操ろうとしていること、それにより身体がむしばまれていることが明かされる。同行した将軍は皇帝に忠実で侍従長のような野心はなく、その秘密を受け入れる。
クリスタル城の悲劇とさらなる悲劇の予感
ストーン・イン・ザ・ウッドではスケクシス強襲に向けて準備が進められていた。城から逃げ延びてきた衛兵の話を聞き決意を固めるモードラ・ファラだが、オーグラは彼らは戦うのではなく生き延びる方を選択する必要があると言う。結果的に彼らはアラシムによって操られ、戦う間もなく城へ送られてしまう。
関連コンテンツ
劇中劇の指人形はBarnaby Dixonが手がけている。
An enormous shout out to Bill Hader and Andy Samberg for bringing their all to the puppet show within the puppet show. pic.twitter.com/ImTLhA3gJD
— The Dark Crystal (@darkcrystal) September 5, 2019
『ダーククリスタル:エイジ・オブ・レジスタンス』於ける狂気の「人形劇内人形劇」パフォーマンスは、独自な仕組みの指人形を発表し続けてきたバーナビー・ディクソン。この人の指人形パフォーマンスは本当にすごいから皆に見て欲しいhttps://t.co/l3AO3tdfJU @YouTube
— 鉄面あなざ (@Gadjetmovie) September 8, 2019
さんから
本人によるメイキング動画つきコメント。8分ごろから本編の人形劇シーンあり。
指人形リハーサルの様子。様々なアイデアを出しながら動きを検討している。
さまよい人は他のミスティックと大きく異なる暗い肌色をしているが、映画制作初期のテスト映像に出ているミスティックに酷似している。
2016年に公式で開催された動画コンペの作品に、さまよい人が登場している。さまよい人とフラグルロックのモーキーが出会うストーリー。(参考Jim Henson’s The Dark Crystal | The Dark Crystal Fan Film Competition)
(2019/11/30、12/08 Barnaby Dixonの動画について追記)
参考
The Dark Crystal Wiki | FANDOM powered by Wikia
ダーククリスタル: エイジ・オブ・レジスタンス | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
The Dark Crystal(公式サイト)
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