2025年5月16日より、ディズニーランド・リゾート(以下、DLR)で、開園70周年を記念したナイトショー “World of Color Happiness!” がスタートしました。アニバーサリーイベントの一環として、2026年夏ごろまでの開催が予定されています。このショーでは、開演前のプレショーや使用楽曲にザ・マペッツのコンテンツが取り入れられています。
「World of Color Happiness!」およびパラダイス・ベイについて
“World of Color” は、DLR内のディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー(以下、DCA)のパラダイス・ベイで上演されるナイトショーです。広範囲に設置された噴水、巨大なウォータースクリーン、音楽、照明、炎、レーザーなどを駆使した演出が特徴です。
70周年アニバーサリーバージョンとなる “World of Color Happiness!” は、ウォルト・ディズニーがパーク開園時の献辞で述べた「To all who come to this happy place…welcome!(この幸せな場所に来るすべての人へ…ようこそ!)」という言葉から着想を得ており、タイトルのとおり「ハピネス」がテーマになっています。
ショーの会場であるパラダイス・ベイはDCAの中央に位置し、昼間は広々とした穏やかな空間ですが、ナイトショーでは背後にそびえるインクレディコースターやピクサー・パル・ア・ラウンドといったアトラクションも演出に組み込まれます。噴水やウォータースクリーンと連動し、エリア全体が立体的かつ色鮮やかな舞台へと変貌します。
ショー
プレショー
ショー本編の開始に先立ち、約4分間にわたり、ザ・マペッツによるプレショーが上演されます。形式上はショーを安全に楽しむための注意喚起が目的ですが、彼ららしいドタバタで賑やかなエンターテイメントに仕上がっており、その登場自体がテーマである「ハピネス」のトーンを設定する役割を担っているといえます。また、プレショーといえども、巨大なウォータースクリーンや噴水、照明の連動などメインショーと同じ機材による演出が使われています。
プレショーでは、カーミットが進行役を務め、弁護士のジョー・ザ・リーガル・ウィーゼル監修のもと、「ショーを安全にお楽しみいただくための重要な注意事項」を伝えようとします。しかし、真面目に案内しようとするサム、音楽で盛り上げるロルフやエレクトリック・メイヘム、スタントを披露したいゴンゾ、笑いを取ろうとするフォジー、目立ちたがるミス・ピギーなどが加わり、話は思うように進みません。最終的には時間が押す中、早口での安全アナウンスが実施され、スタトラーとウォルドーフによるコメントで締めくくられます。
メインショー
メインショーにはマペッツのキャラクターは登場しませんが、カーミットの代表曲Rainbow Connectionのカバーバージョンが使用されています。
メインショーでは『インサイド・ヘッド』のキャラクターたちがメインホストとして登場し、ディズニーおよびピクサー作品から、「ハピネス」をテーマにした様々なシーンや楽曲が次々に登場します。
「Rainbow Connection」はショーの冒頭と終盤(Boyz II Menによるカバー)の2回使用され、いずれの場面でもキャラクターは登場せず、楽曲のメッセージ性を重視した演出になっています。
共に70周年を迎えるディズニーランドとザ・マペッツ
プレショーの冒頭で、カーミットが「It’s our 70th anniversary」と話す場面があります。これは、カリフォルニアのディズニーランドが開園した1955年と、ジム・ヘンソンのマペットたちがテレビに初登場した年が同じであることを示しており、2025年には両者が揃って70周年を迎えるというダブルミーニングになっています。
DCAにはかつてアトラクション『Muppet*Vision 3D(マペット*ビジョン3D)』が存在しましたが、2014年に終了して以来、マペッツは限定イベントなどでの登場に限られていました。パークにとって非常に重要な節目である70周年を祝うナイトショーで観客が最初に目にするプレショーという形でマペッツがフィーチャーされ、さらに彼らを象徴する楽曲がメインショーでも重要な役割を果たしていることは、非常に意義深い出来事だといえます。
なお、“World of Color”は、映像だけでは演出の全体像が伝わりにくく、実際に会場で観るとその没入感や立体的な演出効果に驚かされます。背後にそびえるアトラクション、広範囲に配置された噴水、高く吹き上がる水柱、ウォータースクリーン、音響や照明、レーザーといった要素が連動し、空間全体が舞台装置として機能する構成です。筆者も以前、現地で観覧した際には、その空間演出の完成度と迫力に強い印象を受けました。マペッツがその空間をどのように盛り上げているのか、ぜひ実際に体感してみたいものです。



