2025年9月4日、セサミワークショップはYouTubeとのパートナーシップを拡大し、2026年1月から過去のライブラリを大規模に展開することを発表しました。
今回の発表の主なポイント
以下、セサミワークショップのプレスリリースの内容を元にまとめます。

2026年1月より「数百本の全編エピソード」がYouTubeの公式チャンネルで視聴可能に
「数百本の全編エピソード(hundreds of full episodes)」がYouTubeの公式チャンネルで視聴可能になる」と述べられています。今回の追加により、YouTubeは『セサミストリート』のコンテンツを保有する「最大のデジタルライブラリ(the largest digital library)」となります。
Beginning in January 2026, YouTube will have the largest digital library of Sesame Street content, with hundreds of full episodes coming to the platform.
A Sunny Day is Coming to YouTube: YouTube’s Expanded Partnership with Sesame Street – Sesame Workshop
配信されるエピソードがどの年代のものか(初期シーズンや最新エピソードが含まれるかなど)は、現時点では明らかにされていません。ただし「数百本の全編エピソード」「最大のデジタルライブラリ」という記述から、Netflixで配信予定のもの(詳しくは後述)よりは確実に多くの過去エピソードが配信対象となります1。配信地域についてのアナウンスは特にないので、日本からも見られる可能性が高そうです。
なお、公式のYoutubeチャンネルではすでに初期を含む幅広い年代のエピソードからの動画が配信されていますが、今回の発表はあくまでも「全編エピソード」に対するものです。
視聴データに基づいた背景
過去1年間で公式チャンネルの再生回数が前年比130%増の50億回を超え、その視聴時間の半数以上がテレビ画面で発生しているというデータが、今回の決定を後押ししたとされます。
クリエイター支援の取り組み
セサミワークショップが50年以上にわたり培ってきた知見を活かし、YouTubeクリエイターとワークショップを実施し、エンターテインメントと学びを両立させるコンテンツ制作のベストプラクティスを共有するとしています。これにより、今後はYouTube配信を前提としたコンテンツが拡大されると予想されます。
配信・放送戦略の再構築
今回のYouTubeとの提携拡大は、2025年を通じてセサミワークショップが進めてきた配信・放送戦略の再構築における、いわば最終段階と位置づけることができます。
最近の配信・放送状況
2024年12月、HBO(後に姉妹サービスのHBO Max、現Max)は、親会社であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの戦略転換により、2025年以降の『セサミストリート』新作エピソードに関する契約を更新しないことを発表しました。
これを受け、セサミワークショップは2025年5月19日に新たなパートナーとしてNetflixを選定。2025年後半に配信開始予定のシーズン56以降の新作について、全世界でのプレミア配信権をNetflixが獲得しました。この契約には、90時間分の過去のエピソードも含まれています。
HBO時代は有料放送から9ヶ月遅れてPBSで無料放送される形式でしたが、Netflixとの契約では米国内において新作エピソードがNetflixで配信される同日にPBSでも無料で公開されるという画期的なモデルが採用されました。
今後の配信・放送
2025年後半〜2026年1月の配信・放送状況をまとめると、下記のようになります。(2025年9月5日現在)
| 配信先(区分) | コンテンツ | 開始時期・期限 |
|---|---|---|
| Netflix(有料) | シーズン56以降を含む | 2025年後半〜 旧シーズンは90時間分 |
| PBS(無料)※米国内 | シーズン56以降を含む | 継続放送 |
| YouTube(無料) | 旧シーズンのみ(?) | 2026年1月〜 「最大規模のデジタルライブラリ」 |
| Max(有料)※米国内 | 旧シーズンのみ | 〜2027年まで 2025年9月現在、U-NEXT上のMaxブランド(日本国内)には含まれず |
| U-NEXT(有料)※日本国内 | 旧シーズンのみ(?) | 2025年9月現在は「日本国内独占配信」、シーズン48〜55まで |
日本国内では、Netflixで最新シーズン(2025年後半〜)、U-NEXTとYouTube(2026年1月〜)で旧シーズンの一部エピソードが視聴可能になります。ただし、U-NEXTの独占配信契約は日本独自のものであり、今後どうなるかは現時点では不明です。
創設理念への回帰
1969年、『セサミストリート』は当時最もアクセスしやすいメディアであったテレビ放送を通じて、恵まれない環境の子供たちにも質の高い教育を届けるという使命を持って誕生しました。2016年からのHBO(現Max)との契約は財政難にあった番組を救う一方、新作の初回放送は有料となり、創設理念との間に矛盾を生じさせているとの批判も受けていました。
YouTubeという現在最もアクセスしやすいメディアでの数百本に及ぶライブラリの無料公開は、創設理念を現代的な形で再実行する試みと言えると思います。
まとめ
Maxとの契約終了という大きな変化を乗り越え、『セサミストリート』はNetflix、PBS、そしてYouTubeという強力なパートナーと共に、新たな時代へと踏み出しました。どの年代のエピソードがYouTubeで配信されるのか、また日本国内におけるU-NEXTの配信ラインナップが今後どのように変化していくのかなど、まだ明らかになっていない点もありますが、今回の発表がファンにとって非常に喜ばしいニュースであることは間違いありません。今後も情報をチェックしていきます。
- 『セサミストリート』は60〜30分のエピソードが通算4700本以上制作されています。 ↩︎



