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The Muppets Mayhem/ザ・マペッツ・メイヘム シーズン1 第1〜2話 解説&補足

記事で扱っているエピソードまで視聴していることを前提として書かれています。※それ以降のネタバレは含みません。
過去に公開された作品(映画含む)の内容に触れている場合があります。

シーズン1 第1話 Track 1: Can You Picture That/トラック1:想像してみろ

タイトル

エレクトリック・メイヘムの代表曲名より。(詳細は登場楽曲を参照)

ネタ解説&補足

エレクトリック・メイヘムのライブ
彼らの身長差がわかるシーン。一番背が低いのはズートのようです。ちなみにマペットの全身が見えるカットは従来どおり、複数人で操演→合成していると思われます。ロケ地はロサンゼルスにあるEl Rey Theatre1

ワックス・タウン・レコード社長、ペニー・ワックスマン
新規キャラクター。マペットパフォーマーはLeslie Carrara-Rudolph2。セサミストリートではアビーを担当しています。マペッツ関連では『Muppets Tonight/マペット放送局(1996年) 』のスパメラ・ハムダーソンなど。

元カレはクロスビー、スティルス、ナッシュ。ヤングは…
ロックバンド、Crosby, Stills, Nash & Young(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)の各メンバーを指していると思われます。なお、彼らが活躍したのは1960〜70年代です。

ミュージック・ロウダウン
ノラが検索で見つけた番組動画。出演者は下記の通り。すべて本人役です。
Ryan Seacrest(ライアン・シークレスト)…ラジオ・テレビ司会者。
Chris Stapleton(クリス・ステイプルトン)…シンガーソングライター。
Lil Nas X(リル・ナズ・X)…ラッパー。
Tommy Lee(トミー・リー)…ヘヴィメタルバンド、Mötley Crüe(モトリー・クルー)の元ドラマー。なお、MAYHEMのタトゥーは彼が元から入れているもの。

エレクトリック・メイヘムの紹介映像
過去の映像…マペット・ショー、メイシーズのサンクスギビングデー、ロックフェラーセンターのクリスマスイベント、The Outside Lands music festival 2016が使われています。当時からライブツアーを続けている、というのは今回のドラマでの設定です。

リップスの言動
以前からいるキャラクターですが、今まで殆ど台詞がなく、どういう性格なのかは明らかではありませんでした3。ムニャムニャと不明瞭に喋るものの、コミュ力は高い人物のようです。彼が何を言っているか視聴者やノラにはほぼわかりませんが、バンドメンバーや一部の人は理解している様子。

coo-coo-ka-choo
ズートが写真を撮るときに言っている言葉。字幕では「笑って(ククークチュー)」になっています。Simon & Garfunkelの”Mrs. Robinson”にも出てきますが、The Beatlesの”I Am the Walrus” で”goo goo g’joob” と歌われているのが元だとかなんとか。具体的な意味のある言葉ではないようです。

Mayhead、ムーグ
先の紹介映像でも出ていたように、エレクトリック・メイヘムのファンは”Mayhead” と呼ばれているようです。

エレクトリック・メイヘムの車
過去作品ではスクールバス4が出てくることが多いですが、2013年あたりからバン(マイクロバス)5になっています。今作に登場する車もThe vanと呼ばれています。どちらも彼ら自身によってペイントが施されたものです。

Mr.Zootowski
ズートの本名はズートウスキーというらしいです。おそらく今回が初出。

勝手にパーティー
Steve Aoki(スティーヴ・アオキ)、Billy Corgan(ビリー・コーガン)が参加しています。ビリーについては、彼の所属するバンドThe Smashing Pumpkins(スマッシング・パンプキンズ)にかけたネタも出てきます。

ジャニスのクシャミ
ノラが「ボスの上にもボスが…」と言っているときにジャニスがクシャミしています。今後の伏線。

ミート・ローフにミートローフを作った
ロックシンガーのMeat Loaf(ミートローフ)のことだと思われます。「ピンク・フロイドが壁を…」はPink Floydのアルバム”The Wall”、「大工(カーペンターズ)を雇った」「誰?(ザ・フー?)」はそれぞれCarpenters、The Whoのこと。

会社所有の山小屋(シャック)
ロサンゼルスのLaurel Canyon(ローレルキャニオン)にあるようです。向かいに住んでいるのは俳優のDanny Trejo(ダニー・トレホ)。近年のマペッツのカメオ常連です。家をペイントするのは『The Muppet Movie/マペット・ムービー(マペットの夢見るハリウッド)(1979年)』のオマージュ。夜のライブにはSteve Aoki(スティーヴ・アオキ)も再登場しています。

宙ぶらりん
英語では「Talk about a cliff-hanger…」 と言っています。リアルに崖にぶら下がっている状態と、ドラマ展開のクリフハンガー=未解決の展開のまま終わるような場面→「(ドラマ配信元の)ディズニープラスが好きそう」というメタなジョークです。

クレジットの最後に出てくる写真
今作のエグゼクティブプロデューサーであるAdam Goldbergの制作会社名(Adam F. Goldberg Productions)と一緒に出てくるのは、彼自身の子供の頃の写真のようです。カーミットとジム・ヘンソンの手形はウォルトディズニーワールドのハリウッドスタジオ、旧 The Great Movie Ride(現 Mickey and Minnie’s Runaway Railway)前にあるものです。

登場楽曲

日本語では著作権の関係か、基本的に歌詞の字幕が出てきません。こちらでも歌詞や翻訳は掲載できませんが、どういった曲かは簡単にご紹介します。登場曲は最終話の記事と一緒にSpotifyプレイリストにまとめる予定です。

Rock and Roll All Nite(カバー)
原曲:KISS “Rock and Roll All Nite”(1975年)
冒頭のライブシーン。ロックを楽しもう!というエネルギーに満ち溢れた曲です。

Rock On(オリジナル)
本ドラマのテーマソングにあたる新曲。バンドとしてロックし続けることの情熱を歌っています。

Can You Picture That?(オリジナル)
The Muppet Movie/マペット・ムービー(マペットの夢見るハリウッド)(1979年)』劇中曲で、彼らの代表曲。「こんな時にぴったりな曲」というのは映画で車をペイントしながら歌った曲だからです。自由に想像して楽しくやろう、という曲。

Jungle Boogie(カバー)
原曲:Kool & the Gang “Jungle Boogie”(1973年)
シャックで演奏していた曲。エレクトリック・メイヘムは2015年にカバーMV6を公開しています。

Have a Little Faith in Me(カバー)
原曲:John Hiatt “Have a Little Faith in Me”(1987年)
数々のアーティストがカバーしており、ノラが父が好きだった曲と言っていたのはJoe Cockerのバージョンです。信じることの大切さを歌った曲。

シーズン1 第2話 Track 2: True Colors/トラック2:トゥルー・カラーズ

タイトル

劇中でカバーされた曲名より。(詳細は登場楽曲を参照)

ネタ解説&補足

キャピトル・レコード
大手レコード会社のロサンゼルス本社前を走っています。大きな看板は『The Muppet Movie/マペット・ムービー(マペットの夢見るハリウッド)(1979年)』に出てきたドク・ホッパーの店のもの。アニマルがノラに渡した大きなダイヤモンドは『The Great Muppet Caper/マペットの大冒険 宝石泥棒をつかまえろ!(1981年)』に登場したアイテム。

ビデオゲーム
ドクター・ティースとフロイドがやっているのは、Atariのビデオゲーム”Pong”。1970年代に流行したゲームです。テレビもブラウン管ですね。

ズートの靴
昼寝しているズート、脱ぎ捨てた靴が宙に浮いているように見えますが…? 詳細は後のエピソードにて。

プロデューサーたち
ノラが言っているPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)、Mark Ronson(マーク・ロンソン)、Rick Rubin(リック・ルービン)、Zedd(ゼッド)。Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)、Travis Barker(トラヴィス・バーカー)は、いずれも実在の音楽プロデューサー。

ズートの買い物リスト
Jordan almondsは砂糖でコーティングされたアーモンド菓子。Imitation crab meatはいわゆるカニカマ(アメリカでもメジャーな食材だそうです)。Fritosはフリトレーのコーン菓子。追加で買ったのはslaw=コールスロー。

Smooshie
JJがノラを呼ぶときの愛称。Smooshは「つぶす、圧縮する」で、ぬいぐるみなどを抱きしめるようなときも使います。それを踏まえて日本語では「スリスリちゃん」になっているのだと思います。ノラと同僚だったころは今より太っていて汗かきでベーグル好きだった様子。しかもお金持ちになっています。彼が紹介するというアマラはDoja Cat(ドージャ・キャット、アマラ・ラトナ・ザンディル・ドラミニ)のこと。

ハリウッド・ボウル
ノラがライブが決まったと言っているハリウッド・ボウルはハリウッドにある野外音楽施設。ドラマの設定上はどうかわかりませんが、現実では2018年にマペッツのステージショー”The Muppets Take the O2”が開催されており7、エレクトリック・メイヘムも出演しています。

アレルギーで倒れたジャニス
ジャニス「ムシよ」ズート「虫?」は、英語では「Lies(ウソよ)」「Lice?(シラミ?)」で、シラミがついたと勘違いして皆が体を掻きむしっています。日本語字幕は続いて「ウソは無視(ムシ)よ!」になっていますが、英語はそのまま「Lies!」です。フロイドが説明する「ジャニスはウソをつかれるとアレルギー反応が出る」は英語では「Janice is highly allergic to all forms of fraudulent facilities and general malarkey」、具体的には詐欺的な言動や一般的な不正行為に対するアレルギーだと説明しています。なお、この設定は今回が初出です。

オズノヴィッチ先生
病院で呼び出されているDr.Oznowiczは、フランク・オズの本名であるFrank Richard Oznowicz8が元ネタ。

ペニーとノラ
ペニーはノラに対して横柄にも見えますが、何だかんだ信頼関係のある上司と部下のようですね。ペニーはメガネごと包帯に巻かれています。彼女のセリフに出てくる歌手のBarry Manilow(バリー・マニロウ)は、過去に手術後の痛みで長期間車椅子を使っていたことがあるようです。押すのではなく乗っている方ですが。

ウソの理由
エレクトリック・メイヘムの面々はジャニスのクシャミ連発からノラがウソをついていると勘づいていたわけではないようです。なかなか部屋に入れなかったのも、彼女に怒っているというよりは理由を話すのを待って、ウソをつく必要はないことを歌で伝えようとしていたからでしょう。それ以前からLava Lamp(ラバランプ、ラバライト)の点灯準備をしています。

Jimmy Jam and the Filmflammers
ズートが聞いてきたバンド名。音楽プロデューサーJimmy Jam and Terry Lewis(ジャム&ルイス)もしくはJimmy Jam(ジミー・ジャム)個人についてのジョークだと思います(ネタの詳細がわかる方はご教示ください)。日本語では”ジムと詐欺師”となっています。”filmflam”は詐欺、いかさま、ペテン。

ラニヨン公園
中盤と最後に出てくるRunyon Canyon Parkはロサンゼルスにある自然公園。

リップスのスマホ
着信音がマペッツお馴染みの曲 “Mahna Mahna9“で、電話に出るときも「Mahna Mahna」と言っています(日本語字幕なし)。リップスはメンバーで唯一スマホを所有しており、特に有名人とのコネクションが強いようです。

登場楽曲

True Colors(カバー)
原曲:Cyndi Lauper “True Colors”(1986年)
本来の自分自身を表現することの美しさを歌った曲。『The Muppets(TV Series)/ザ・マペッツ(TVシリーズ)(2015年)』でも「感動的な曲」として使われていました。


  1. El Rey Theatre ↩︎
  2. Leslie Carrara-Rudolph | Muppet Wiki | Fandom ↩︎
  3. The Muppets(TV Series)/ザ・マペッツ(TVシリーズ)(2015年)』でいくつか台詞がありますが、彼が個性を発揮したのは今作からと言っていいと思います。 ↩︎
  4. The Electric Mayhem Bus | Muppet Wiki | Fandom ↩︎
  5. The Electric Mayhem Van | Muppet Wiki | Fandom ↩︎
  6. Jungle Boogie | Muppets Music Video | The Muppets – YouTube ↩︎
  7. The Muppets Take the O2 | Muppet Wiki | Fandom
    野外ライブステージ The Muppets Take the Bowl 特集(1)現地レポートほか | Muppamiroh ↩︎
  8. フランク・オズ – Wikipedia マペットパフォーマーとしてマペッツではミス・ピギーやフォジー、アニマルなどを担当。現在は離れています。 ↩︎
  9. The Muppets “Mahna Mahna” on The Ed Sullivan Show – YouTube ↩︎
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